MacBookでの操作が慣れていると、キーボートとトラックパッドの配置をMacBookと同じ位置関係にしたくないですか?
Magic KeyboardとMagic Trackpad 2を横並びにするのではなく、キーボードを奥にして、トラックパッドを手前に。

MacBookのこのレイアウトで作業をしたいわけです。
目次
Magic KeyboardとMagic Trackpad 2を前後に配置したい理由
MacBookの配置に慣れていると、トラックパッドを操作するときに右手を横に移動するのが煩わしかったりします。

なので、トラックパッド→マウスにしても同じです。
手首をほんのちょっと動かして、トラックパッドを操作したい。
じゃあ、Magic KeyboardとMagic Trackpad 2を縦に並べればいいじゃないかって話なんですが、そう単純な話ではありません。
トラックパッドの厚みがあるので、キーボートより高くなってしまうんです。

そうすると、ホームポジションをとった時に、手首〜親指の付け根付近が親指に当たってしまいます。
スペースキーを押すときとかめっちゃ干渉します。
で、当たるだけならまだ目を瞑れても(実際は瞑れませんけど)、トラックパッドなのでポインタが動いてしまったり、意図しないところで反応してしまって、作業に支障が出ます。
ネットでトラックパッドの誤認識を防ぐ方法として、手が当たる部分にマスキングテープを貼るという方法を見つけたりしたんですが、それだとトラックパッドの操作範囲が制限されてしまうので、理想的ではありません。
応急処置としてはいいんですが。
で、色々調べてみるとやっぱり世界には同じように使いたい人もいるようで、参考になるサイトが出てきました。
MacBookのレイアウトで使いたい先人の知恵まとめ
まず製品化されているものを探してみました。
MAGICTRAYPALM

Magic Keyboard向けではありませんが、Magic Trackpad 2をはめ込むタイプ。
良さそうではあったんですが、キーボードの高さを別で調整しないといけません。
また、いくらか分からないし、フォームでオーダーをするような形式だったので、めんどくさくなって見送り。
木製のものがあったり質感は良かったんですけど。
eXpress Keyboard Platform
eXpress Keyboard Platform

こちらは、Magic KeyboardとMagic Trackpad 2を対象にした、まさにMacBookと同じように使えるというものがアメリカで販売されていました。
日本で購入、レビューされている方もいて、こちらの記事も参考させていただきました。
同じ悩みを持っていて、めっちゃ共感します。
ただ、素材がプラスチック、持ち運ぶにはサイズが大きい、あと規格が変わった時に使えなくなるのでは?という懸念点があり、僕個人としてはあまり前のめりになれませんでした。
アメリカからの取り寄せ費用含めて16,000円ほどなので、値段もちょっと高いですしね。
ちなみに国内でも同様の製品を製造しているところがありました。
Crispy Backboard PRO 2021

ちなみに、こちらもeXpress Keyboard Platformと同様に素材(これはアクリル製)、重量、サイズがネックで見送り。
ぶっちゃけデザインもあまり好みではなく…
さらに調べていると、自作している方も見つけました。
レゴで自作

LEGOの汎用性の高さに感心します。
でもLEGO持ってないしな…。
HHKBとMagic Trackpad 2の組み合わせ、はめ込み型を自作


このはめ込みタイプには結構心惹かれました。
が、はめ込みとなると寸法の精度や制作の手間、使い勝手などの懸念があります。
というか、そもそもどうやって加工するのか分かりません。
ただ、エッセンスはお借りできるな、と。
これらを参考にさせていただいているうちに、自作するという選択肢が出てきました。
制作にあたってポイントを整理する
自作する前に、まずポイントを整理します。
- Magic KeyboardとMagic Trackpad 2をMacBookのレイアウトにしたい
- キーボードの位置を高くして、トラックパッドの位置を相対的に低くする
- 一体型にこだわりはない→パームレストとキーボード台を分離
- 必要最小限の大きさをカバーして極力コンパクトで軽量なものを目指す
あくまでも自分にとって大事なポイントです。
このようなイメージを基にして身近なもので操作感を試してみました。
キーボードは雑誌の上に置いて、パームレストはiPhoneを置いたりしてみました。

そして、MacBookのサイズ感や仮置きしたものとかのサイズから寸法を練り練りしていきます。
パームレストとキーボード台の設計構想
Magic KeyboardとMagic Trackpad 2の寸法
まずMagic KeyboardとMagic Trackpad 2の寸法を確認します。
(Apple公式サイトから引用)
制作するパームレストとキーボード台の寸法
仮置きして使ってみた感覚と、実測、Apple公称値からそれぞれの寸法を決めたのでこちらです。
当初は、キーボード台はPCスタンドの土台部分に重なるように配置する予定だったので、脚を設けて隙間を作りました。
また、キーボードの奥を高くして手前に傾けることも考えましたが、元々Magic Keyboardは奥が高くなっていますし、とりあえずフラットで作ることにします。
そして出来上がったのがこちら。

なかなかいい感じです。
Magic Keyboardはシザー構造で、使っているMacBookのキーボードはバタフライ構造なので、全く一緒というわけではありませんが、かなり近い感覚で使えています。
重量も軽いですし、それぞれが分離しているので持ち運びの時に邪魔にもなりません。
自作パームレストの問題点(トラックパッドの誤動作)
しかし、少し使ったところで問題が発生します。
パームレストの高さが十分ではなかったようで、トラックパッドに手首〜親指の付け根付近が触れてしまい、意図しない動作がたまに起こってしまいました。


その中でも頻度が高かったのは、次の2つ。
タイピング中に画面が拡大(or 縮小)← おそらく2本指でダブルタップと認識
スクロールする時にMission Controlが起動 ← おそらく3本指でスワイプと認識
上下の位置関係はしっかり考えていたつもりでしたが、見積もりが甘かったです。
誤算①トラックパッドに当たらないと思っていた
一つはトラックパッドの一番高い位置よりも、パームレストの上面は高くしたので、触れないと思っていました。
しかし、実際には手を置いてホームポジションに持ってくると、親指が下に張り出してくるので、トラックパッドに触れてしまってました。
誤算②トラックパッドに当たっても大丈夫だと思っていた
もう一つは、MacBookを操作している時に実は、トラックパッドに触れ続けていたので、問題ないと思ってました。

2015年発表のMacBook(無印、12-inch)、2016年発表のMacBook Proから採用されている感圧タッチトラックパッドからトラックパッドの面積が大きくなっています。
サイズの拡大したことで、タイピング時は基本的に触れてしまう構造になっています。
ただ、タイピング時はもちろん、左手がトラックパッドに触れた状態で右手でトラックパッドを操作しても問題なく操作ができます。
おそらく何かしらの技術が採用されているんだと思いますが、MacBookでは親指の付け根部分が触れていても誤動作が起きることがありませんでした。
なので、Magic Trackpad 2も触れていても大丈夫だろうと思ったこともあって、高さを十分には考慮していませんでした。
検証:トラックパッドにしっかり触れた状態で操作してみる
じゃあMacBookのようにがっつり手に触れている状態だとMagic Trackpad 2はどのように認識するのかを試してみました。
問題点はタイピングしている時に左右の親指付け根部分が触れるのと、左手をホームポジションに置いた状態で右手でトラックパッドを操作するときです。
その結果、しっかり触れている状態でも認識されたりされなかったりで、毎回ではありませんが、誤認識は起きるという結果に至りました。
めちゃくちゃ細かく検証したわけではないので、仕様の差の有無も実際のところは分からないのですが、とりあえずホームポジション、タイピング時には完全に触れないほうが良さそうだと判断し、二号機を作ることにします。
パームレスト、キーボード台2号機制作へ
プロトタイプを参考にして、高さを3mm高くします。
パームレストを高くする分、キーボード台も高くします。
改訂版の寸法はこちら。
そして出来上がったのがこちら。

トラックパッドからパームレストまでマージンも確保できました。

しばらく使っていますが、トラックパッドの誤動作は起きていません。
というか、触れずに操作できるようになったという方がより正確ですね。
また、トラックパッドが相対的に低くなって使いづらくなるのでは?という懸念もありましたが、特に気になりませんでした。
かなり快適です。
制作費はざっと3,000円ほどで、制作時間は半日ほどでした。
詳しい制作過程についてはまた別で記事を書こうと思います。
では!